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個人クリエイターの確定申告|経費にできるもの一覧と家事按分・機材購入のルール【2026年分】

目次
  1. 経費にできるかどうかの基本ルール
  2. クリエイターが経費にできるものの例
  3. 家賃・電気代・スマホ代は「家事按分」する
  4. パソコンや液タブなど高額な機材の扱い
  5. 経費にするとき注意が必要なもの
  6. 副業クリエイターの「20万円ルール」
  7. 青色申告と白色申告の違い
  8. 2026年分の確定申告のスケジュール
  9. 売上の記録は「案件」とセットで残す
  10. まとめ
  11. 参考資料

依頼や作品の販売で収入が出てきたら、避けて通れないのが確定申告です。そして確定申告で手取りを大きく左右するのが「経費」。

「液タブは経費にできる?」「配信用の部屋の家賃は?」「推し活の費用は……?」など、クリエイターならではの迷いも多いはずです。

この記事では、個人クリエイターが経費にできるものの考え方と具体例、注意が必要なポイントを解説します。

この記事は2026年10月12日時点の情報をもとにした一般的な解説です。2026年分(2027年に申告する分)を前提にしています。税制は毎年のように改正されるため、最新の情報は国税庁のWebサイトで確認し、個別の判断は税務署や税理士にご相談ください。

経費にできるかどうかの基本ルール

経費(必要経費)にできるのは、収入を得るために直接必要だった支出です。判断に迷ったら、次の2つを自分に問いかけてみましょう。

  1. その支出は、仕事(作品づくり・依頼・発信)のためのものか?
  2. 税務署に聞かれたときに、仕事との関係を説明できるか?

プライベートと仕事の両方で使うものは、仕事で使った割合だけを経費にします(家事按分)。そして、どんな支出も領収書やレシート、利用明細を保存しておくことが前提です。

クリエイターが経費にできるものの例

勘定科目の例 具体例
消耗品費 ペンタブのペン先、画材、ケーブル、マウス、10万円未満のソフトや機材
減価償却費 パソコン、液晶タブレット、カメラ、オーディオインターフェースなど高額な機材(下で詳しく説明)
通信費 インターネット回線、スマホ代(仕事で使う割合)、サーバー・ドメイン代
支払手数料 依頼サイト・販売サイトの手数料、決済手数料、振込手数料
外注費 背景・MIX・動画編集・Live2Dなどを他のクリエイターに依頼した費用
新聞図書費 資料用の書籍、ポーズ集、技法書、資料用の動画配信サービス
研修費 有料の講座、セミナー、オンラインスクール
広告宣伝費 SNS広告、名刺、ポートフォリオサイトの費用、イベント用のチラシ
旅費交通費 打ち合わせや取材、イベント出展のための交通費・宿泊費
地代家賃・水道光熱費 自宅を仕事場にしている場合の家賃・電気代(仕事で使う割合)
支払利用料・ソフトウェア イラスト・作曲・動画編集ソフトのサブスクリプション、フォントや素材サイトの利用料
荷造運賃 グッズや納品物の発送費
会議費・接待交際費 仕事の打ち合わせでの飲食代など

勘定科目の名前は、自分でわかりやすいものにしてかまいません。大切なのは、毎年同じ考え方で分類することです。

家賃・電気代・スマホ代は「家事按分」する

自宅で作業している場合、家賃や電気代、インターネット代の一部を経費にできます。プライベートと仕事の両方で使っているものは、**仕事で使っている割合(按分割合)**を決めて、その分だけを経費にします。

按分の考え方の例

  • 家賃:仕事部屋の面積 ÷ 家全体の面積(例:作業部屋が全体の25%なら、家賃の25%)
  • 電気代:仕事をしている時間の割合(例:1日の使用時間のうち仕事の割合)
  • スマホ・ネット代:仕事で使っている時間や用途の割合

按分割合に決まった数字はありません。「なぜその割合なのか」を説明できる根拠(間取り図、作業時間の記録など)を用意しておくことが大切です。

パソコンや液タブなど高額な機材の扱い

10万円以上する機材は、買った年に全額を経費にできるとは限りません。金額によって扱いが変わります。

購入金額(1個あたり) 扱い
10万円未満 買った年に全額を経費にできる(消耗品費)
10万円以上20万円未満 3年間で均等に経費にできる(一括償却資産)※
青色申告で一定の条件を満たす場合 少額減価償却資産の特例で、買った年に全額を経費にできる(年間合計300万円まで)
上記以外 耐用年数に応じて、数年かけて経費にする(減価償却)。パソコンは4年など

※ 10万円以上20万円未満の機材は、通常の減価償却を選ぶこともできます。

青色申告をしている個人事業主などが使える「少額減価償却資産の特例」は、令和8年度の税制改正で、2026年4月1日以後に取得したものから、対象が30万円未満から40万円未満に引き上げられ、適用期限も延長されました。高価な液タブやパソコンを買う予定があるなら、青色申告にしておくメリットは大きいといえます。

経費にするとき注意が必要なもの

資料代・エンタメ費

「アニメやゲームは作品づくりの資料だから全部経費」……と言いたくなりますが、プライベートで楽しむ目的と区別がつきにくい支出は注意が必要です。

  • 経費にしやすい例:ファンアートの依頼のために買った原作の資料、レビュー動画のために購入したゲーム
  • 説明が難しい例:特定の仕事と関係なく、趣味として楽しんでいる作品

仕事との関係を説明できるよう、「どの依頼・どの作品のための資料か」をメモしておくと安心です。

衣装・美容代(VTuber・コスプレイヤー・配信者)

撮影や配信のためだけに使う衣装・小道具は経費にしやすい一方、普段も着られる服や日常的な美容代は、プライベートとの区別が難しくなります。用途と、仕事で使った記録(撮影日や配信の記録など)を残しておきましょう。

推し活・イベント参加費

推しのイベントやライブへの参加は、基本的には私的な支出です。ただし、そのイベントで取材をして作品や記事にした、出展者として参加した、といった仕事との関係がはっきりしている場合は、その部分を経費にできる可能性があります。

副業クリエイターの「20万円ルール」

会社員などで給与をもらっていて、年末調整を受けている人は、副業の所得(収入から経費を引いた額)が年20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてもよいとされています。

ただし、次の点に注意しましょう。

  • 20万円は「収入」ではなく「所得(収入 − 経費)」で判断する
  • 所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は必要です(お住まいの市区町村に申告します)
  • 源泉徴収された報酬がある場合は、確定申告をすると税金が戻ってくることがあります
  • 医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も申告に含める必要があります

副業での時間の使い方や、住民税の納め方については副業クリエイターが本業と両立するコツで解説しています。

青色申告と白色申告の違い

個人事業主の確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。

青色申告 白色申告
事前の届出 必要(青色申告承認申請書) 不要
帳簿 複式簿記(65万円・55万円控除の場合) 簡易な帳簿
特別控除 最大65万円 なし
赤字の繰り越し 3年間繰り越せる できない
少額減価償却資産の特例 使える 使えない

2026年分の青色申告特別控除は、複式簿記で記帳し、e-Taxで申告する(または優良な電子帳簿保存を行う)などの条件を満たすと65万円、複式簿記で書面申告なら55万円、簡易な帳簿なら10万円です。なお、令和8年度の税制改正で、2027年分以後の青色申告特別控除の金額や要件が見直されています。次の年の記帳を始める前に、国税庁の案内を確認しておきましょう。

青色申告を始めるには、原則として青色申告をしたい年の3月15日まで(1月16日以後に開業した場合は、開業から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を税務署に出す必要があります。開業届とあわせて出すのがおすすめです。詳しくは開業届の出し方で解説しています。

2026年分の確定申告のスケジュール

2026年1月1日〜12月31日の所得についての確定申告は、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。e-Taxなら自宅から申告できます。

2026年分の確定申告までの流れ
  1. 2026年1月〜12月毎月、売上と経費をまとめて記録する(領収書も保存)
  2. 2026年12月31日1年分の所得(売上 − 経費)が決まる
  3. 2027年2月16日〜3月15日確定申告をする(e-Taxなら自宅から)

申告の時期になってから1年分のレシートを整理するのは大変です。毎月、売上と経費をまとめて記録しておく習慣をつけておくと、申告がぐっと楽になります。

売上の記録は「案件」とセットで残す

確定申告では、経費だけでなく売上も正しく記録する必要があります。依頼の報酬は、「いつ・誰から・いくら」入金されたかを記録しておきましょう。源泉徴収された報酬は、差し引かれた税額も一緒に記録しておくと、申告のときに困りません。

Citrushub CRM では、案件ごとに金額・入金日を記録でき、月ごとの受注額・入金額をダッシュボードで確認できます。どの依頼者からいくら入金されたかもすぐにわかるので、帳簿づけや確定申告の準備に役立ちます。作品を Citrushub Store で販売している場合は、注文の一覧をCSVで書き出して会計ソフトに取り込むこともできます。

まとめ

  • 経費にできるのは、収入を得るために必要だった支出。説明できる根拠と領収書を残す
  • 家賃・電気代・通信費は、仕事で使った割合で家事按分する
  • 10万円以上の機材は扱いが変わる。青色申告なら40万円未満(2026年4月以後の取得分)の特例が使える
  • 資料代・衣装・イベント参加費は、仕事との関係を記録しておく
  • 副業で所得20万円以下でも、住民税の申告は必要
  • 2026年分の確定申告は2027年2月16日〜3月15日

参考資料

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