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依頼を受け始めたばかりのころは、頭の中やDMの履歴だけでもなんとかなります。けれど、依頼が月に5件、10件と増えてくると、こんなことが起き始めます。
- 「あの依頼、納期いつだったっけ?」
- 「先月納品した案件、入金されてたかな……」
- 「修正は2回までって伝えてたはず……どこに書いたっけ」
- 「今月、いくら稼げたんだろう」
これらはすべて、案件の情報があちこちに散らばっていることが原因です。この記事では、個人クリエイターが依頼を見失わないための「案件管理」の基本を解説します。
案件管理とは「1件の仕事を、受けてからお金になるまで追いかけること」
案件管理というと難しそうに聞こえますが、やることはシンプルです。
1件の依頼(案件)ごとに、「今どの段階か」「いつまでに何をするか」「いくらで、いつ入金されるか」を1か所で把握すること。
これができていれば、納期の見落としや入金の確認漏れはほとんど防げます。
案件管理で記録しておきたい項目
| 項目 | なぜ必要か |
|---|---|
| 案件名 | 「○○さん アイコン」など、ひと目で何の仕事かわかるように |
| 依頼者 | 名前・会社名・連絡先。リピートしてくれたときにも役立つ |
| 依頼元 | DM、メール、依頼サイト、公式サイト、紹介など。どこから依頼が来ているかがわかる |
| 金額 | 税込・税抜のどちらかに統一して記録する |
| 工程(ステータス) | 今どの段階か(次の章で説明) |
| 納期 | 中間の締め切り(ラフ提出など)もあれば記録 |
| 支払期日 | 後払いの場合は必須。入金確認の基準になる |
| 条件のメモ | 修正回数、利用範囲、クレジット表記、実績公開の可否など |
| やりとりの履歴 | いつ何を合意したか。トラブル時の証拠にもなる |
すべてを最初から完璧に記録する必要はありません。まずは案件名・依頼者・金額・工程・納期・支払期日の6つから始めましょう。
工程は「お金になるまで」の5段階で分ける
案件の工程は、細かく分けすぎると更新が面倒になります。おすすめは、依頼を受けてからお金になるまでを次の5段階で分ける方法です。
| 工程 | 意味 | この段階でやること |
|---|---|---|
| 相談中 | 問い合わせを受けて、内容を確認している | ヒアリング、受けるかどうかの判断 |
| 見積中 | 金額・納期を伝えて、返事を待っている | 見積もりの提示、返事がなければ確認 |
| 制作中 | 受注して制作している | 制作、途中確認、納期の管理 |
| 納品済み | 納品して、入金を待っている | 請求書の送付、支払期日の確認 |
| 入金済み | 入金を確認した(完了) | お礼、実績の公開、記録 |
このほかに、受注しなかった・取りやめになった案件を「見送り」として残しておくと、あとで「なぜ受注できなかったか」を振り返れます。
ポイントは、「納品済み」と「入金済み」を分けることです。納品した時点で「終わった」と思ってしまうと、入金の確認が抜けてしまいます。「納品済み」の列に残っている案件は、すべて「お金をまだ受け取っていない案件」です。
各段階の詳しいやり方は、次の記事で解説しています。
- 相談中:イラスト・制作依頼の受け方
- 見積中:見積書の書き方とテンプレート、依頼料金の決め方
- 制作中:依頼の契約・利用規約で決めておくべきこと
- 納品済み:請求書の書き方とインボイス制度
- 入金が遅れたら:報酬の支払いが遅れたときの対処法
毎日・毎週・毎月のチェックを習慣にする
管理の仕組みを作っても、見なければ意味がありません。次のタイミングで確認する習慣をつけましょう。
毎日作業を始める前に1分
- 今日が締め切りのもの、期限を過ぎているものはないか
- 新しい問い合わせに返信したか
毎週週のはじめに5分
- 今週の納期と、作業の予定
- 見積もりを出したまま返事のない案件に、確認の連絡をするか
- 新しい依頼を受けられる余裕があるか
毎月月末・月初に15分
- 支払期日を過ぎても入金されていない案件はないか
- 今月の受注額・入金額はいくらか
- 経費のレシートを整理したか(確定申告で経費にできるもの)
案件管理のツールの選び方
| 方法 | 向いている人 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| メモ帳・手帳 | 依頼が月に数件まで | 金額の集計や期限の確認は手作業になる |
| スプレッドシート | 表を自分で作れる人。依頼が月10件程度まで | 入力の手間と、期限切れに気づく仕組みを自分で作る必要がある |
| タスク管理・ノートアプリ | すでに使い慣れている人 | 売上の集計や依頼者ごとの履歴の管理には向かないことも |
| 案件管理(CRM)ツール | 依頼が増えてきた人、個人と企業の依頼が並行している人 | 自分の仕事の流れに合うものを選ぶ |
スプレッドシートで管理するときのコツと限界は、案件管理をスプレッドシートで続ける限界と、ツールに移るタイミングで詳しく紹介しています。Notion・Trello・board・Misoca などの料金や機能の違いは、案件管理ツールの比較で比べています。
ツールを選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 工程の名前が自分の仕事の流れに合っているか(営業向けの用語ばかりだと使いにくい)
- 期限切れを自動で知らせてくれるか
- スマホでも確認・更新できるか
- 売上(受注額・入金額)を自動で集計してくれるか
- 依頼の窓口(問い合わせフォームなど)とつながっているか
依頼の窓口を1つにまとめると、管理はもっと楽になる
案件管理でいちばん手間がかかるのは、実は「記録すること」そのものです。SNSのDM、メール、依頼サイトから届いた依頼を、毎回手で書き写すのは面倒ですし、書き写し忘れも起こります。
そこでおすすめなのが、依頼の窓口をできるだけ1つにまとめることです。たとえば公式サイトに依頼フォームを置き、「ご依頼はこちらのフォームから」と案内すれば、依頼内容を聞き漏らすことも減ります。
Citrushubで、依頼の受付から入金までをひとつの流れに
Citrushub CRM は、クリエイターの依頼管理のために作った案件管理ツールです。
- 工程ボード:「相談中 → 見積中 → 制作中 → 納品済み → 入金済み」の列に案件を並べ、ボタンひとつで次の工程へ進められます。各列には件数と金額の合計が表示されます
- 要対応のお知らせ:納期や支払期日を過ぎた案件、期限が来た「やること」を、ダッシュボードの最初の画面に表示します
- 売上の自動集計:今月の受注額・入金額、入金待ちの金額、直近6か月の推移を自動で集計します
- 履歴の自動記録:案件の作成や工程の変更、金額の変更を自動で記録。メモも残せます
- PR・タイアップ案件にも対応:企業案件の投稿予定日、掲載URL、PR表記の確認も管理できます
Citrushub Site で作った公式サイトのお問い合わせフォームに届いた依頼は、自動で「相談中」の案件として登録されます。Citrushub Store で依頼の受付枠が購入されたときも、先払い済みの「制作中」の案件として自動で登録されます。手で書き写す必要はありません。
進行中の案件20件までは無料で使えます。
まとめ
- 案件管理は「1件の依頼を、受けてからお金になるまで追いかけること」
- まずは案件名・依頼者・金額・工程・納期・支払期日の6項目から
- 工程は「相談中・見積中・制作中・納品済み・入金済み」の5段階。納品と入金を分けるのがポイント
- 毎日・毎週・毎月の確認を習慣にする
- 依頼の窓口を1つにまとめると、記録の手間と漏れが減る
依頼が増えるのはうれしいこと。仕組みを整えて、作品づくりに集中できる時間を増やしていきましょう。

