BlueCitrus
お仕事・お金

報酬の支払いが遅れたときの対処法|催促メールの文例と相談先・法的手続きまで【クリエイター向け】

目次
  1. まずは落ち着いて確認する3つのこと
  2. ステップ1:支払期日の翌営業日〜数日以内に、やわらかく確認する
  3. ステップ2:返事がない・入金がないときは、期限を決めて再度連絡する
  4. ステップ3:それでも支払われないときは、記録を残して相談する
  5. ステップ4:法的な手続きを検討する
  6. 未払いを防ぐためにできること
  7. まとめ
  8. 参考資料

納品も終わって、あとは入金を待つだけ。ところが支払期日を過ぎても振り込まれない……。

報酬の未払いや支払いの遅れは、個人で活動するクリエイターにとって珍しくないトラブルです。ただ、多くは担当者の確認漏れや社内手続きの遅れが原因で、落ち着いて連絡すれば解決します。

この記事では、支払いが遅れたときの対応を、段階ごとに文例つきで解説します。

この記事は2026年10月12日時点の情報をもとにした一般的な解説です。具体的なトラブルについては、弁護士や下で紹介する相談窓口にご相談ください。

支払いが遅れたときの対応の流れ
  1. やわらかく確認する支払期日の翌営業日〜数日以内に、「確認」のトーンで連絡し、請求書を再送する
  2. 期限を決めて再度連絡する1週間ほど待っても入金がなければ、具体的な期限を示し、経理の窓口などにも送る
  3. 記録を残して相談する内容証明郵便を送る。フリーランス・トラブル110番などの無料の窓口に相談する
  4. 法的な手続きを検討する支払督促・少額訴訟・民事調停など

まずは落ち着いて確認する3つのこと

催促の連絡をする前に、こちら側に見落としがないかを確認しましょう。

  1. 支払期日はいつだったか:見積書・発注書・メールなどで、合意した支払期日を確認します。「月末締め・翌月末払い」なら、思っていたより1か月先のこともあります。
  2. 請求書は届いているか:請求書を送っていなかった、送り先が違っていた、ということもあります。
  3. 入金額を見落としていないか:企業からの報酬は、源泉徴収(10.21%)や振込手数料が差し引かれて、金額が違って見えることがあります。依頼者名と違う名義(会社の正式名称など)で振り込まれていることもあります。

ステップ1:支払期日の翌営業日〜数日以内に、やわらかく確認する

最初の連絡は「催促」ではなく「確認」のトーンで送ります。相手が単に忘れていた場合、これだけで解決することがほとんどです。

件名:【ご確認】○月分ご請求(○○制作)のお支払いについて

○○株式会社 ○○様

いつもお世話になっております。○○です。

○月○日付でお送りした「○○制作」のご請求(請求番号:2026-10-001、金額:○○円)につきまして、 お支払期日の○月○日時点で、ご入金を確認できておりませんでした。

行き違いでしたら大変失礼いたしました。 お手数ですが、お支払いの状況をご確認いただけますでしょうか。 念のため、請求書を再度添付いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

ポイント

  • 請求番号・金額・支払期日を具体的に書く
  • 「行き違いでしたら失礼しました」と添えて、相手を責めない
  • 請求書を再送する(紛失している可能性もあるため)

ステップ2:返事がない・入金がないときは、期限を決めて再度連絡する

1週間ほど待っても返事や入金がなければ、具体的な期限を示してもう一度連絡します。担当者だけでなく、会社の代表のメールアドレスや経理の窓口にも送るのが効果的です。

件名:【再送】○月分ご請求のお支払いについて

○○株式会社 ○○様

いつもお世話になっております。○○です。

○月○日にご連絡いたしました「○○制作」のご請求(金額:○○円、お支払期日:○月○日)につきまして、 本日時点でご入金を確認できておりません。

恐れ入りますが、○月○日(○)までにお支払いいただくか、 お支払いの予定日をご連絡いただけますでしょうか。

ご事情があるようでしたら、ご相談にも応じますので、ご一報いただけますと幸いです。

ステップ3:それでも支払われないときは、記録を残して相談する

2回連絡しても対応がない場合は、次の段階に進みます。この時点で、やりとりの記録(メール、DM、発注書、納品の記録)をすべて保存しておきましょう。

内容証明郵便を送る

内容証明郵便は、「いつ・どんな内容の文書を・誰に送ったか」を郵便局が証明してくれる郵便です。それ自体に支払いを強制する力はありませんが、

  • 正式に請求したという証拠になる
  • 相手に「本気で回収しようとしている」と伝わる

という効果があります。請求の内容(案件名、金額、支払期日、支払いを求める期限)と、期限までに支払われない場合は法的手続きを検討する旨を書くのが一般的です。

無料の相談窓口を利用する

  • フリーランス・トラブル110番:厚生労働省の委託で第二東京弁護士会が運営する窓口です。弁護士に無料で相談でき、匿名での相談も可能です。必要に応じて、無料の和解あっせんの手続きも利用できます。
  • 公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省(都道府県労働局):発注者がフリーランス法に違反している疑いがある場合は、これらの行政機関に申し出ることができます。

フリーランス法で定められた支払いのルール

企業など事業者からの依頼であれば、「フリーランス・事業者間取引適正化等法」のルールが関係します。

  • 発注者は、報酬の額や支払期日などの取引条件を、書面やメールなどで明示しなければならない
  • 従業員を雇っている発注者は、成果物を受け取った日から60日以内のできるだけ短い期間で支払期日を決め、その日までに支払わなければならない
  • 後から一方的に報酬を減らすことは禁止されている

「御社の対応はフリーランス法に違反する可能性があります」と伝えることで、対応が進むこともあります。ただし、個人のファンが消費者として依頼した場合は、この法律の対象外です。

ステップ4:法的な手続きを検討する

相談しても解決しない場合は、裁判所の手続きを使う方法があります。代表的なものは次のとおりです。

手続き 特徴
支払督促 簡易裁判所に申し立て、書類の審査だけで支払いを命じてもらう手続き。相手が異議を出すと通常の訴訟に移る
少額訴訟 60万円以下の金銭の支払いを求める場合に使える訴訟。原則として1回の審理で判決が出る。同じ簡易裁判所で年10回までなどの制限がある
民事調停 裁判所の調停委員を間に入れて、話し合いで解決を目指す手続き

2026年5月からは、これまでの書面での申し立てに加えて、裁判所の電子提出システム(mints)を使ったオンラインでの申し立てもできるようになっています。

どの手続きが向いているかは、金額や相手の対応によって変わります。手続きの前に、上の相談窓口や弁護士に相談するのがおすすめです。

なお、報酬を請求する権利には時効があります。権利を行使できることを知ったときから5年(民法第166条)が経つと消滅するおそれがあるので、放置しないようにしましょう。

未払いを防ぐためにできること

個人からの依頼は先払いにする

個人からの依頼では、**入金を確認してから制作を始める「先払い」**にしておくと、未払いのリスクをなくせます。依頼の流れはイラスト・制作依頼の受け方で紹介しています。

企業からの依頼は、条件を文字で残す

  • 金額・納期・支払期日を、発注書やメールで受け取る
  • はじめての取引先で金額が大きい場合は、着手金(前払い)をお願いする
  • 会社の所在地や連絡先を確認しておく

条件の決め方は依頼の契約・利用規約で決めておくべきことで詳しく解説しています。

支払期日を「管理」する

未払いのトラブルが長引く原因のひとつは、入金されていないことに気づくのが遅れることです。気づいたのが数か月後だと、担当者が変わっていたり、記録がわからなくなっていたりして、回収が難しくなります。

Citrushub CRM では、案件ごとに支払期日を登録しておくと、期日を過ぎても「入金済み」になっていない案件を、ダッシュボードの最初の画面に「要対応」として表示します。「納品済み(入金待ち)」の案件の件数と合計金額もひと目でわかるので、入金の確認漏れを防げます。

まとめ

  • まずは支払期日・請求書の送付・入金額(源泉徴収など)を確認する
  • 最初の連絡は「確認」のトーンで。返事がなければ期限を決めて再連絡
  • 解決しなければ、記録を残して内容証明郵便や無料の相談窓口へ
  • 事業者からの依頼なら、フリーランス法の支払いルール(受領から60日以内)がある
  • 支払督促・少額訴訟などの法的手続きもある
  • 予防には、先払い・条件の書面化・支払期日の管理が効果的

参考資料

募集中Citrushub 創設クリエイター募集有料プラン6か月無料・その後もずっと30%オフ

いっしょに、すきまをつくりませんか?

プロダクトへのご意見、協業・お仕事のご相談、なんでもお気軽にどうぞ。

お問い合わせする