自分の作品が、知らないアカウントに無断で投稿されていた——クリエイターにとって、とてもショックな出来事です。自作発言をされていたり、グッズにされて売られていたりすると、なおさらです。
腹が立つ気持ちはもっともですが、まずは落ち着いて、順番に対応することが、確実に削除してもらうための近道です。この記事では、無断転載を見つけたときの対応手順を解説します。
この記事は2026年10月12日時点の情報をもとにした一般的な解説です。損害賠償の請求など、具体的な法的手続きを検討する場合は、弁護士にご相談ください。
無断転載は著作権の侵害にあたる
イラスト、写真、動画、音楽などの作品には、作った時点で著作権が発生します。登録などの手続きは必要ありません。他人の作品を、作者の許可なくインターネットに投稿することは、原則として著作権の侵害にあたります。
- 作者名を書いていても、「転載」であれば許可が必要です
- 引用として認められるには、一定のルール(自分の文章が主で、引用部分が従であること、出典の明示など)を満たす必要があります
- 自作発言(自分の作品のように見せること)は、作者の名前を表示する権利などの侵害にもあたりえます
無断転載を見つけたら:対応の5ステップ
- 証拠を残すページのスクリーンショット(URL・日時・アカウント名)、元の投稿のURLなど
- どう対応するか決める悪意がなさそうなら直接連絡、悪質ならプラットフォームに報告
- プラットフォームに削除を依頼する著作権侵害の報告窓口から
- 海外のサイトの場合DMCAの手続きを使う
- 専門家に相談する削除の請求・発信者情報の開示・損害賠償の請求
ステップ1:証拠を残す
削除されたあとでは、証拠が残らないことがあります。最初に証拠を保存しましょう。
- 転載されているページ全体のスクリーンショット(URL、投稿日時、アカウント名がわかるように)
- 投稿のURL、アカウントのURL
- 販売されている場合は、商品ページと価格
- 自分がオリジナルの作者であることを示す材料(元の投稿のURLと日時、制作途中のデータ、レイヤー付きのファイルなど)
ステップ2:どう対応するか決める
相手に直接連絡するか、プラットフォームに報告するかを決めます。
| 方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 相手に直接連絡する | 悪意がなさそうな個人(ファンが知らずに転載している など) | 相手を刺激してトラブルが大きくなることもある |
| プラットフォームに報告する | 悪質な転載、自作発言、販売、連絡がとれない相手 | 報告の手続きに、本人確認や作品の情報が必要なことがある |
悪意のある相手や、転載を繰り返している相手に直接連絡するのはおすすめしません。プラットフォームの報告窓口を使うほうが安全です。
ステップ3:プラットフォームに削除を依頼する
多くのSNS・動画サイト・販売サイトには、著作権侵害を報告する専用のフォームがあります。一般的な「通報」ボタンとは別になっていることが多いので、各サービスのヘルプで「著作権」「権利侵害」と検索してみましょう。
報告のときに伝えることの例:
- 自分が著作権者であること
- 元の作品のURL
- 侵害している投稿のURL
- 許可していないこと
日本では、2025年4月1日に「情報流通プラットフォーム対処法」(プロバイダ責任制限法から名称変更)が施行され、利用者の多い大規模なプラットフォームには、削除の申出を受け付ける窓口を整え、一定の期間内に対応を判断して通知することなどが義務づけられました。
ステップ4:海外のサイトの場合
海外、特に米国のサービスでは、米国の著作権法(DMCA)に基づく削除の申立て(DMCA通知)の手続きが用意されていることが多くあります。各サービスの「Copyright」「DMCA」のページから申し立てられます。英語での入力が必要な場合もありますが、多くはフォームに必要事項を入力する形式です。
ステップ5:それでも解決しない場合は、専門家に相談する
削除に応じてもらえない、販売で大きな被害が出ている、相手を特定して損害賠償を求めたい——そんなときは弁護士に相談しましょう。
- 削除の請求:プラットフォームや投稿者に、法的な根拠に基づいて削除を求める
- 発信者情報の開示:匿名の投稿者を特定するために、裁判所の手続き(発信者情報開示命令など)を使って情報の開示を求める
- 損害賠償の請求:特定した相手に対して、損害の賠償を求める
手続きには時間と費用がかかるため、被害の大きさと照らし合わせて、専門家と相談しながら判断しましょう。
無断転載を防ぐためにできること
完全に防ぐことは難しいものの、転載されにくくしたり、見つけやすくしたりする工夫はできます。
- サインや透かしを入れる:転載されても作者がわかる
- 公開する画像のサイズを抑える:高解像度の原画は公開しない
- ガイドラインを公開する:転載・加工・AI学習の禁止などを明記する。海外のファン向けに英語でも(例:Do not repost my work.)。書き方はファンアート・二次創作ガイドラインの作り方を参照
- 定期的に検索する:画像検索で、自分の作品が使われていないか確認する
- 公式の発信場所を明確にする:「作品の公式な投稿先はここだけ」と示しておくと、ファンが転載に気づいて教えてくれることも
生成AIへの対策は生成AIと作品の無断学習への対策で解説しています。
どこまでが著作権で守られるのかはイラストの著作権の基本で整理しています。
公式サイトで「本物」と「窓口」を示す
無断転載や、なりすましのアカウントが出てきたときに力を発揮するのが、公式サイトです。
- 公式のSNSアカウント・販売ページの一覧を載せておけば、ファンが本物を見分けられる
- ガイドライン(転載・二次利用・AI学習のルール)をいつでも見られる場所に置ける
- 依頼や販売の窓口を一本化して、なりすましによる詐欺を防ぎやすくなる
公式サイトの作り方はクリエイターの公式サイトの作り方完全ガイドで解説しています。
Citrushub Site なら、lit.linkやSNSのURLを貼るだけで、作品・プロフィール・SNSの一覧をまとめた公式サイトの案をAIが作ります。ガイドラインのような文章も、ページの上で直接編集して加えられます。
まとめ
- 無断転載は、原則として著作権の侵害にあたる
- 見つけたら、まず証拠(URL・日時・スクリーンショット)を残す
- 悪質な相手には直接連絡せず、プラットフォームの著作権侵害の報告窓口を使う
- 海外のサービスはDMCAの手続き、解決しない場合は弁護士に相談
- サイン・解像度・ガイドライン・公式サイトで、転載されにくく、見分けやすくする

