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「案件管理ツールを使うほどではないし、まずはスプレッドシートで」——多くのクリエイターがそうして案件管理を始めます。実際、スプレッドシートは無料で、自由に作れて、始めるにはぴったりの方法です。
ただ、依頼が増えてくると、スプレッドシートならではの限界も見えてきます。この記事では、スプレッドシートで案件管理をうまく続けるコツと、専用ツールに移るべきタイミングを紹介します。
案件管理そのものの考え方は、フリーランスクリエイターの案件管理入門で解説しています。
スプレッドシートでの案件管理テンプレート
Googleスプレッドシートを例に、クリエイター向けの列の構成を紹介します。1行が1件の案件です。
| 列 | 項目 | 入力例 |
|---|---|---|
| A | 案件名 | ○○さん 配信用アイコン |
| B | 依頼者 | ○○さん |
| C | 依頼元 | Xのメッセージ |
| D | 金額(税込) | 20000 |
| E | 工程 | 制作中 |
| F | 受注日 | 2026/10/01 |
| G | 納期 | 2026/10/25 |
| H | 支払期日 | 2026/10/31 |
| I | 入金日 | (入金したら入力) |
| J | メモ | ラフで修正2回まで。配信・SNS利用OK |
工程はプルダウンにする
E列(工程)は、入力ミスを防ぐためにプルダウン(データの入力規則)にしておきましょう。
相談中/見積中/制作中/納品済み/入金済み/見送り
自由に入力できる状態だと、「制作中」「作業中」「進行中」のように表記がばらばらになり、あとで集計できなくなります。
期限切れの行を色で知らせる(条件付き書式)
期限を過ぎた案件に気づけるように、条件付き書式で色をつけます。範囲を A2:J にして、「カスタム数式」に次の式を入れます。
納期を過ぎているのに、まだ納品していない案件(赤)
=AND($G2<>"", $G2<TODAY(), OR($E2="相談中", $E2="見積中", $E2="制作中"))
支払期日を過ぎているのに、入金されていない案件(オレンジ)
=AND($H2<>"", $H2<TODAY(), $E2<>"入金済み", $E2<>"見送り")
月ごとの受注額・入金額を集計する
別のシートに月ごとの集計表を作ります。A列に各月の1日(例:2026/10/01)を入れて、次の式で集計できます(案件のシート名を「案件」とした場合)。
その月の受注額(受注日がその月で、見送り以外)
=SUMIFS(案件!$D:$D, 案件!$F:$F, ">="&A2, 案件!$F:$F, "<"&EDATE(A2,1), 案件!$E:$E, "<>見送り")
その月の入金額(入金日がその月)
=SUMIFS(案件!$D:$D, 案件!$I:$I, ">="&A2, 案件!$I:$I, "<"&EDATE(A2,1))
入金待ちの金額(納品済みの案件の合計)
=SUMIFS(案件!$D:$D, 案件!$E:$E, "納品済み")
ここまで作れば、スプレッドシートでもかなりしっかりとした案件管理ができます。
- 1行に1案件を書く案件名・依頼者・金額・納期・支払期日などをA〜J列に
- 工程をプルダウンで更新相談中 → 見積中 → 制作中 → 納品済み → 入金済み
- 期限切れを色で知らせる条件付き書式で、納期切れは赤、入金待ちの期限切れはオレンジ
- 月ごとに集計するSUMIFSで受注額・入金額・入金待ちの金額を出す
スプレッドシートで続けるコツ
- 1行1案件を守る:同じ依頼者でも、依頼が別なら行を分ける
- 入力する日を決める:「問い合わせが来たらすぐ」「納品したらすぐ」など、更新のタイミングを決める
- 完了した案件は消さない:あとで依頼者ごとの取引や、年間の売上を振り返るのに使う
- フィルタで「進行中だけ」を表示する:完了した案件で表が長くなったら、フィルタで絞り込む
金額を決めるときの見積もりや、納品後の請求は見積書の書き方・請求書の書き方とインボイス制度を、入金が遅れたときは報酬の支払いが遅れたときの対処法を参考にしてください。
スプレッドシートの限界
便利なスプレッドシートですが、依頼が増えると次のような悩みが出てきます。
1. 書き写す手間がかかり、漏れる
DM・メール・依頼サイトに届いた依頼を、毎回スプレッドシートに書き写す必要があります。忙しいときほど後回しになり、「記録していない案件」が生まれます。
2. 見に行かないと気づけない
条件付き書式で色をつけても、スプレッドシートを開かなければ気づけません。忙しい時期ほど開く回数が減り、期限切れに気づくのが遅れます。
3. スマホでの更新がしにくい
スマホでも編集はできますが、横に長い表は見にくく、プルダウンや日付の入力も手間がかかります。外出先で「納品したから工程を進めておこう」がしにくいのは地味なストレスです。
4. やりとりの履歴が残らない
「いつ金額を変えたか」「いつ工程を進めたか」は、スプレッドシートには残りません(変更履歴の機能はありますが、案件ごとに確認するのは大変です)。条件のすれ違いが起きたときに、経緯をたどれません。
5. 依頼者ごとの情報がまとまらない
同じ依頼者から何度も依頼をもらうと、その人の連絡先・過去の依頼・取引の合計を見たいときに、何行も探す必要があります。
専用ツールに移るべき5つのサイン
次のうち2つ以上当てはまったら、案件管理ツールへの移行を考えてみましょう。
- 進行中の案件が常に5件以上ある
- 納期や支払期日を過ぎてから気づいたことがある
- 個人からの依頼と企業案件(PR・タイアップなど)が並行している
- スプレッドシートへの記録を後回しにすることが増えた
- 今月いくら稼いだか、すぐに答えられない
移行先の候補(Notion・Trello・board・Misoca・案件管理ツール)の料金と違いは、フリーランス向け案件管理ツールの比較で解説しています。
Citrushub CRMなら、スプレッドシートの「面倒」がなくなる
Citrushub CRM は、スプレッドシートで案件管理をしてきたクリエイターが「ここが面倒だった」と感じる部分を解消するために作った案件管理ツールです。
| スプレッドシートの悩み | Citrushub CRMでは |
|---|---|
| 依頼を書き写す手間 | Citrushub Siteの問い合わせフォームに届いた依頼が、自動で案件になる |
| 開かないと気づけない | 期限切れの案件を、ダッシュボードの最初の画面に「要対応」として表示 |
| スマホで更新しにくい | スマホでも工程ボードを見て、ボタンひとつで次の工程へ進められる |
| 履歴が残らない | 工程や金額の変更を自動で記録。メモも案件ごとに残せる |
| 依頼者ごとの情報がまとまらない | 依頼者ごとに、過去の案件と取引の合計を表示 |
| 集計の数式を作る必要がある | 今月の受注額・入金額・入金待ちの金額を自動で集計 |
案件名と依頼者名の2つを入れるだけで案件を登録できるので、スプレッドシートより手軽に始められます。進行中の案件20件までは無料です。
まとめ
- スプレッドシートでも、プルダウン・条件付き書式・SUMIFSを使えばしっかり管理できる
- ただし「書き写す手間」「見に行かないと気づけない」「履歴が残らない」などの限界がある
- 進行中の案件が常に5件以上ある、期限切れに気づくのが遅れた、などのサインが出たらツールへの移行を考える
自分に合った方法で、依頼の管理を「がんばらなくても回る仕組み」にしていきましょう。

